文化の違い?!誤解を招くジェスチャーを考えてみる《VOL.2》

 前回、『外国人がムッとするジェスチャーアラカルト』と題して、いくつか列挙してみました。

今回は手話の表現も交えてお話ししようと思います。




前回の続きから・・まずは

⑥【中指使い】は、見るのもイヤな、危険な仕草だとか。ビジネスの場面でも資料や価格を指し示すとき、電卓を叩くときなどでも意外と気付かずにやっている日本人が多いです。完全なる無意識です・・。

欧米では、このジェスチャーは最も卑猥な意味を持ち、相手に対する軽蔑を表現するジェスチャーというのは有名な話!これがもとで、多くの争いごとが起こる!と聞いたこともあります。できる事なら不測の事態は避けたい・・です。なので、資料を指すときには、5本の指を揃えて出すことにします。

そして、厄介なことに、日本手話では、それとよく似たサインがあります。『お兄さん』もしくは『弟』・・

確かに・・(^◇^;) 

このサイトをご覧くださる欧米諸国の皆さん!誤解ないように・・。日本手話では、『older(younger) brother』は、その『中指使い』の代表的な手話表現だということをあしからず^^ご理解くださいませ<(_ _)>

⑦【鼻を指す】普通に自分のことを示すのに使いますが、外国人には意味不明のようです。印象としては「鼻クソがついてる」とか「嘘を言っている」や「なにか話題を変えたいと思っている?」などの印象があるようです。たしかに欧米人が自分を表現するときには胸あたりを指しますよね(笑)なぜ「嘘を言っている」と思うのかというと、心理学的に、嘘をついているとき、人は無意識に鼻を触ることがあるのです。鋭い人はそれを勘ぐる可能性を持ち合わせているのだとか。

そして、日本手話でも同じく「わたし」を表現するときには【鼻を指す】のです。もちろん胸を指す人もいます。視覚言語界のみんな!!鼻を指せば日本風・・胸を指せば欧米風・・使い分けしたら面白いかもね?

⑧【鼻が高い】は日本人にとってはなんだか褒め言葉・・?のような気もします。しかし欧米人にとっては【鼻が高い】ことは当たり前のことであって、ことさらに言われると「鼻がでかい」や「顔が不格好」と言われたように感じるのだそうです。へ~(@v@)

国によっては「鼻がでかい」は人種的に差別を受けたような気持ちになることもあるようなので注意が必要です。

余談ですが・・

個人差があるかもしれませんが、欧米人は頬骨の高さを美しさのシンボルとして見る習慣があると聞きました。You have a beautiful bone structure. や You have amazing cheek bones.などは褒め言葉になるようです。

完全に美意識が違う気がしてきました。

この【鼻が高い】は手話の慣用句のブログでも触れました。ぜひこちらも参考にしていただけると嬉しいです♪


日本人の ⑨【無表情】は大きな誤解を生みます・・。と言われたことがあります。

私たちは、海外の人たちに比べたら表情に乏しく、感情を表に出さない傾向があります。これは乳幼児期から確実に育まれてきたものです。しかし、この【無表情】が非常に「怖い」と思っているのは視覚言語界のみんなも同じなのではありませんか?

外国人からすれば「あなたと関わりたくない」や「あなたを好きではない」という意味にとられるみたいです。そのせいか日本人は「冷たい」とか「何を考えているのかわからない」などの感想を持つ人も多いのだとか。

手話を始めた初期段階のときの一番の壁!!それが【表情】だったりするのです。嬉しいが表現できない!哀しいが嬉しそうに見える!笑うところではない手話にヘラヘラした表情を浮かべる!あるあるのある!!です(笑)


長年築き上げてきた私たちのジェスチャーや身振り、表情・文化たち。

当たり前が当たり前でないシチュエーションがあるってことだけでも、頭の片隅に置いておくことが我が身を助ける手立てになるのかもしれません。

はたまた、だれかの不安を取り除く一歩になるのかもしれませんね。