視覚言語界の人が手話ると、情景がそのまま浮かび上がってきて、その場で発生していただろう音が聞こえてくるように感じることがあります。
ある集会での出来事が印象深く記憶されています。
「雨が降り始めたよ~」
と、日本語の音声で聞いたとき、「えーー(..;)傘持ってきてないんだけど・・」くらいのテンションで受け流していたのですが・・
手話話者が『雨』という単語ひとつで、どんな感じで降っているのかを私に伝えてくれました!手話初心者といえども、その手話を見た瞬間にオノマトペが浮かんできました。
「雨がポツポツと降ってきたよ~」という感じでしょう。
私は小雨の間に帰ろうと思い、大急ぎで帰り支度を始めました。
雨の様子を表すオノマトペはいくつかありますよね?!「ザーザー」「シトシト」「ポツポツ」・・まだあるかな?
手話はこれらのオノマトペを取り込んで、動詞として使われます。英語もそうですよね♪
雨がザーザーと降っています(日本語) ⇔ It's pouring. (英語)
雨がシトシトと降っています(日本語) ⇔ It's drizzling.(英語)
雨がポツポツと降ってきました(日本語)⇔ It's started to sprinkle.(英語)
「雨」という手話単語は、動詞化すれば「雨が降る」になり、さらにはオノマトペを取り込んで「雨がザーザーと降っている」などのように状況や様子を含んだ一文ができあがります。
Vol.6で、手段を含む動詞についてお話ししましたが、オノマトペのような副詞を取り込む表現も多くあります。
これこそ手話の特徴です!
日本語との違いが明らかですが、それが手話という言語なのです♪
因みに「オノマトペ(onomatopee)」はフランス語です。日本語で言うと「擬態語」「擬声語」といわれています。あしからず・・☆
こちらの記事がオススメです♪⇒Vol.6《おもしろい手話の動詞》