音楽のチカラとは?
〜坂本龍一氏が語ったこと〜
先日、ある記事が目に留まった。
もう2年も前、2020年2月2日の朝日新聞に掲載された記事が、なぜピンポイントに私の目に触れることになったのか?
何を検索していて、その記事にヒットしたのかも今となってはもう覚えていない。
ありがたいことに、心に残る言葉として全文をまとめているブログも発見したので、読んでみてほしい。
引用 : chuo1976
出典元 : 朝日新聞DIGITAL
坂本龍一氏といえば、YMO(イエローマジックオーケストラ)という天才音楽家3人が集まったグループ活動の印象も強く残るが、解散後のソロ活動でも世界でその名を知られる音楽家だ。
近年では、話題のNFTマーケットプレイスのひとつ「Adam byGMO」にて、96小節、595音の音源を1音 10,000円という固定価格で販売された。
映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲『Merry Christmas Mr.Lawrence』という楽曲だ。
映画ではデヴィッド・ボウイ氏、北野武氏、坂本龍一氏本人も出演しており、かなり話題となった。
この映画のテーマ曲『Merry Christmas Mr.Lawrence』を私たち世代は「戦メリ」と呼び、この時代の哀愁を表現するときにピッタリの切ない楽曲となっている。
日本では、映画「戦場のメリークリスマス」は1983年に公開されたのだが、昨年より4K修復版が上映されるなど、また話題にもなった。
じつはこの記事、「戦メリ」を聴きながら書いている。
ここ『ことの葉741Hz』と共に歩く時間が増えてきた2022年。
「音」そのものの存在を意識する機会が増えてきた。
何気ない日常に、無音は存在しない。
唯一、眠っているときだけだろうか?「音」に無関心でいられるのは…。
私は音楽が大好きであり、音楽に身を任せて踊ることも昔から大好きである。
そんな私が「音」そのものの存在を意識するようになってから、「音」というものに史上最高に心を奪われた瞬間が2度ほどある。
その音の中に、永遠に身を置いていたいようでもあり、それでいて深く怖く不安でもあり、離れてしまってからもまたその音に会いに行きたいと感じてしまう…
その2つの瞬間のひとつは、2021年12月、冬の入口…。
能登半島の内海側で、近隣住宅も空き家だらけで生活音も聞こえてこない移住体験住宅に、1人で滞在したときに訪れた。
日本海の波の音だ。
これまでも、波の音など何度も聴いてきたはずだった。
それらは、ただ流れては消えていった音に過ぎなかったのに、そのとき聴いた波の音は、ただただ美しかった。
窓から見た海は深い深い藍色で、波の音と共に規則的に乱れた白い線が押し寄せてきた。
不思議な光景だった。
その景色にただ波の音が乗っている。
何時間でもそうしていられる気がした。
生きてきて初めて「音」に全身全霊を傾けた瞬間だった。
そしてもうひとつ、心を奪われた瞬間の音…。
それは【CODA〜あいのうた〜】で聴いた、完全なる無音という音だ。
坂本龍一氏が語った「音楽の力」について読まれた人にはもしかすると少し理解していただけるかもしれない。
この世は素晴らしい音楽で溢れている。
そして、この世はノイズで溢れている。
「音」の原点はもしかすると「完全なる無音」なのかもしれない。
音楽の力も、この世に溢れる音すべても…完全なる無音から生まれているのではないだろうか。